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【2024年】脂肪冷却マシンの選び方決定版!【クリニック&サロンの先生向け】

脂肪冷却マシン

大手クリニックがテレビCMやインターネット広告、電車広告などで大きく売り出している脂肪冷却ダイエット。リバウンドしづらく、努力も不要とあって最近注目を集めています。そんな脂肪冷却ダイエットは、クリニックだけでなくエステサロンでも導入可能。

とはいえ脂肪冷却マシンはさまざまなメーカーが販売しており、どれを購入すればよいのか悩んでしまう先生も多いのでは? そこで本記事では脂肪冷却マシンの導入を検討しているクリニックやサロンの先生に向けて、脂肪冷却マシンを選ぶポイントや導入するメリットとデメリットを解説します。

INDEX

脂肪冷却ダイエットとは? 痩せるしくみをわかりやすく解説

脂肪冷却とは

脂肪冷却についてまだご存知ない先生に向けて、脂肪冷却で痩せるしくみを簡単に説明します。脂肪冷却ダイエット(痩身)とは、脂肪が凍る温度と他の皮下組織や水分が凍る温度の差を利用した痩身技術です。通常、脂肪細胞は4度で凍るといわれています。一方で水やその他の皮下組織は4度では凍結しません。

したがって皮下組織が4度以下になるように皮膚全体を冷却すると、脂肪細胞のみが凍ります。凍った脂肪細胞はアポトーシスし、時間をかけて貪食細胞の仲間であるマクロファージや好中球、単球などに処理されます。アポトーシスとは細胞自身にプログラムされた細胞死のことです。処理された脂肪細胞は、リンパの流れにのって体外に排出されます。脂肪を冷却してから、細胞が排出されるまでに要する期間は1ヶ月から3ヶ月ほどです。

ここまでお話をすると「本当なの? きちんと効果が出るの?」と心配になるかと思いますが、実は脂肪冷却による脂肪細胞の減少は医学的にも実証されています。日本の厚生労働省に該当するアメリカのFDA(食品医薬品局)でも脂肪冷却マシンを痩身効果があるとして痩身治療の機器として認定済み。日本でも一部の脂肪冷却マシンは厚生労働省から医療機器の認定を受けています。脂肪冷却のくわしいメカニズムや臨床試験の結果等については記事の最後で論文を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

いま、脂肪冷却マシンを導入すべき理由は希少性!

脂肪冷却マシンの導入は今がチャンス! なぜならば大手クリニックの宣伝効果により、多くのユーザーが脂肪冷却ダイエットに興味関心を持っているのに、脂肪冷却マシンを導入しているクリニックやサロンはごくわずかな状態だからです。

脂肪冷却の導入クリニック、サロンの数を調べてみました。以下の数字は2023年8月2日現在の、ホットペッパービューティーに掲載されているクリニック・サロンの数です。

注目すべきは全国のエステサロンにおける脂肪冷却の導入件数。脂肪冷却はたったの499件、関東エリアを除くとわずか201件しか存在していません。その数がいかに少ないのかはキャビテーションやラジオ波、脱毛を導入しているサロンの数と比べるとよくわかりますよね。これから、脂肪冷却がこれらのマシンと同じように痩身マシンのひとつとして普及していくとすれば、脂肪冷却は流行前夜といった状態といえます。

【クリニック】※東京都のみ

脂肪冷却HIFU脂肪溶解注射脱毛
118243187309

【サロン】全国

脂肪冷却キャビテーションラジオ波EMS脱毛
49963737689898122054

【参考:「ホットペッパービューティー」https://beauty.hotpepper.jp/top/

最先端トレンドかつレアなマシン・メニューを導入する3つのメリット

脂肪冷却マシン メリット

脱毛ブームの初期に脱毛メニューを導入したり、サロンをオープンさせたりした先生ならわかるかと思いますが、トレンドの初期に参入することで得られるメリットは計り知れません。ここでは最先端トレンドのマシンを導入するメリットをお伝えします。

エリアの潜在顧客を根こそぎゲットできる

脂肪冷却マシンは首都圏も地方もまだまだ導入するクリニック、サロンが足りていない状態です。あなたの最寄駅やお住まいのエリアで脂肪冷却を導入しているサロンがあるかどうか、チェックしてみてください。おそらく、ほぼない状態だと思います。

でも大手クリニックの宣伝によってニーズは高い状態です。その状況で脂肪冷却マシンを導入すると、当該エリアの潜在的な顧客をすべてあなたのサロンのお客様にすることができます。

最先端でレアだから高単価設定でも予約が入る

周りにライバルがいないということは、価格競争が発生しないということ。クリニックなら時間単価10万円超、サロンでも5万超を狙えます。「そんなに高くてお客さまがきてくれるかしら」と不安になるかもしれませんが、現在クリニックでは2部位10万円といった価格設定でも十分に集客できているようです。この価格でも集客できる理由は脂肪冷却を行っているサロンやクリニックが圧倒的に少ないからです。

レーザー脱毛や光脱毛が登場した当初、ワキ脱毛だけで50万円から100万円ほどかかっていました。全身脱毛に挑める人はほぼいない状態です。ですが20年ほどかけて価格は下がり、今は20万円から30万円ほどあれば全身を脱毛できる時代。価格がここまで下がったのは、脱毛サロンやクリニックの数が増えて、価格競争の原理が働いたからです。

脂肪冷却メニューも初期の脱毛のように高単価が狙えます。導入店が増えれば価格は徐々に下がる可能性はありますが、脱毛よりもさらに緩やかな下落になるとか想定できます。なぜならば、多くの脂肪冷却マシンは高額で購入できるクリニック、サロンが限られているからです。

地域で脂肪冷却の第一人者という地位を確立できる

地域でいちはやく脂肪冷却マシンを導入すると「脂肪冷却といえば〇〇サロン」という確固たる地位を確立できます。複数のサロンやクリニックで脂肪冷却を導入し始めた後では、「二番煎じ」「後追い」というイメージがついてしまうことも。

最初に導入して、「脂肪冷却を最初に導入したサロン」というイメージがつけば、集客はカンタンです。他店やクリニックが脂肪冷却をとりいれるまではあなたのサロンの一人勝ちですし、他店が導入したとしてもあなたのサロンが元祖というイメージは揺らぎません。

脂肪冷却マシンの種類は4種類

脂肪冷却マシンの種類は4種類

脂肪冷却マシンはハンドピースの形状と、使用可能な施設によって4種類に分類できます。

脂肪冷却マシンのハンドピースの形状:カップ式とプレート式

まずは脂肪冷却マシンをハンドピースの形状によって分類してみましょう。

・カップ式

カップ式は、カップで脂肪を吸引して脂肪を冷却します。したがって、カップで吸引できる量の脂肪が必要です。カップ式は脂肪の量が多い部位を効率的に冷やすことができます。

・プレート式

プレート式の脂肪冷却マシンは、薄いプレートを施術部位に固定して冷却します。カップ式のマシンと比較すると、冷却できる脂肪の量は少ないですが、脂肪の厚さが薄い部位でも施術可能です。また施術部位にプレートを固定するだけなので、吸引による痛みは感じません。

それぞれの特徴をまとめておきました。

カップ式プレート式
冷却効果高い低い
向いている部位お腹や太もも、顎下や二の腕などオールマイティー背中や痩せている方の太ももなど限定的
痛みの有無脂肪を吸引する際に痛みを感じることがある吸引しないため、痛みは感じにくい
施術部位の内出血等人によっては内出血することがあるが1週間程度で元通りになるなし

※カップ、プレートの両方を備えた脂肪冷却マシンもあります。

エステ用脂肪冷却マシンと医療用脂肪冷却マシン

エステ用脂肪冷却マシンと医療用脂肪冷却マシンの明確な違いは、厚生労働省の認可を受けているかどうかです。

実際のところ、厚生労働省の認可を受けている脂肪冷却マシンは1機種のみ。それ以外の機種は厚生労働省の認可は受けていません。都内にも未認可のマシンを使用しているクリニックはたくさんあります。医療機関で用いている脂肪冷却マシンと同等のスペックのマシンがエステで使用されていることもあります。

※ただし、薬機法上では医療機関以外の施設では脂肪細胞を変性させる行為は認められていません。

脂肪冷却マシンの選び方!6つのポイントとは?

脂肪冷却マシンの選び方!6つのポイント

続いて、脂肪冷却マシンの導入を検討している方に向けて、痩身マシンを選ぶときのポイントを解説します。

脂肪を冷却するハンドピースは「カップ式」がベター

まずは脂肪冷却マシンのハンドピースの形状から機種を絞り込みましょう。脂肪冷却マシンのハンドピースの形状はカップ式とプレート式の2種類があるとお話しました。それぞれメリットはあるのですが、おすすめするのはカップ式のハンドピースです。

なぜならば、カップ式の脂肪冷却マシンでなければお腹やお尻、太ももなどの脂肪が多い部位を効果的に冷却することができないからです。プレート式は冷却できる脂肪の量が少なく、なかなか効果が現れません。

ハンドピースの個数は多いほうがよい

脂肪冷却マシンのハンドピースの数はメーカーによって異なります。ひとつだけハンドピースがついているものもあれば、4つ付属しているものもあります。

サロン経営の効率化、高収益化を目指すならハンドピースが多い脂肪冷却マシンをおすすめします。

通常、脂肪冷却マシンによる施術の料金は部位ごとに設定します。したがって同時に施術できる部位が多ければ多いほど、サロンの時間単価もアップするのです。

ハンドピースは個数だけじゃない! 様々な部位に対応するサイズも大切

脂肪冷却マシンのハンドピースは、たくさんあればよいというわけではありません。お客様や部位によって脂肪の量は多種多様。多くの部位に対応するために、複数の種類のハンドピースが用意されていることが望ましいです。

お腹や太もも、お尻などの比較的脂肪量が多い部位から、顎下や二の腕など脂肪量が少ない部位まで対応できるようにハンドピースのサイズを展開している脂肪冷却マシンを選びましょう。

冷却のパワーは超重要

脂肪冷却マシンの効果は、「いかに効率よく脂肪を冷却するか」にかかっています。脂肪細胞が凝固する温度は4度ですが、人体は体温を一定に保つために熱を発し続けているため、4度以下で冷やさなければ皮下脂肪は4度に達しません。

したがって、ある程度のパワーで冷やし続けられるスペックのマシンを選ぶべきです。脂肪冷却マシンの冷却パワーをはかる指標のひとつがマシンの電圧(W・ワット)。電圧が1500Wを超えているかどうかをひとつの目安にするとよいでしょう。

当社の脂肪冷却マシンLUMIX lipocoolは皮下脂肪の温度を4度に保つために、他社の医療用脂肪冷却マシンよりもハイパワーの1700Wを実現しています。

ハンドピースの冷却範囲も要チェック!

脂肪冷却マシンのハンドピースは、内部に冷たい水が循環して脂肪を冷やす仕組みです。したがって、「どこまで水が循環しているのか」が重要になります。ハンドピースのカップ部分の一部分しか冷却できない脂肪冷却マシンはおすすめできません。

理想的なのはハンドピースのカップ部分にまんべんなく冷却水が循環している「360度冷却可能」なハンドピースです。また、ハンドピースの材質が金属製のものも熱伝導性が高く、効率よく脂肪を冷却できます。

お客様の安全を確保できる仕組みになっているかどうか

脂肪冷却自体は10年以上前から美容医療業界や美容業界で導入されている施術であり、一定の安全性は確認されています。しかし、脂肪冷却が原因のトラブルの発生はゼロではありません。したがって、脂肪冷却マシンには一定の安全対策が求められます。そこで、脂肪冷却マシンに求められる安全に関わる最低限のシステムや機能についてまとめておきました。

・お客様が操作できる非常停止ボタンがあるかどうか

・ハンドピースに温度計がついているかどうか

・温度の自動調整機能がついているかどうか

以上の3点の中でも、必ずついていて欲しいのが温度の自動調整機能です。皮膚の表面温度を計測して、最適な冷却温度を維持できる自動調整機能が付属していれば、冷やしすぎや、冷却不足を回避できます。

脂肪冷却マシンを導入する前に知っておくべき、脂肪冷却の施術の流れ

脂肪冷却マシンの施術の流れ

脂肪冷却の施術は以下の手順で進めます。

①お客様へのヒアリングの実施

②施術箇所の確定

③ハンドピースの装着

④脂肪冷却マシンによる脂肪の冷却(20分から1時間程度)

⑤マッサージの実施

⑥1ヶ月から3ヶ月ほどで効果が感じられる

脂肪冷却マシンによる施術中は、サロンの先生やスタッフの皆様がマッサージ等を行う必要はありません。ハンドピースを装着したら、定期的にお客様の様子をチェックすればオッケー。マシンによる冷却が終了したら、施術箇所をマッサージして凝固した脂肪の排出を促します。脂肪冷却マシンによる部分痩せの効果は、施術から1ヶ月〜3ヶ月ほど経過した頃に実感できることが多い傾向です。凝固した脂肪が排出されるまでに最低でも1ヶ月を要します。お客様にはその旨をしっかりと伝えておきましょう。

脂肪冷却マシンの導入で実現可能なサロンの時間単価

脂肪冷却マシンの時間単価

エステサロンや医療機関の脂肪冷却メニューの単価は1時間あたり2万円から3万円超。複数の部位を組み合わせることによって、さらに時間単価はアップします。

2万円の部位と3万円の部位を同時に施術すれば時間単価は5万円です。一般的なエステサロンやネイルサロン、美容室の理想的な時間単価は1万5000円程度、オールハンドのエステでも5万円と言われていることが多い中で、マシンによる施術で時間単価5万円は大変魅力的です。脂肪冷却マシンの施術は、経験が少ないスタッフでも対応できるため人件費も大幅に圧縮できます。

脂肪冷却マシンのことなら、エストラボにお気軽にご相談を!

脂肪冷却マシンならエストラボへ!

エストラボではお客様に安全かつハイクオリティの施術を提供できる脂肪冷却マシン LUMIX lipocool(ルミクスリポクール)を販売中です。LUMIX lipocoolは以下のスペックを実現した、サロン様やクリニック様の救世主となり得るマシン。

ハンドピースの形状カップ式
ハンドピースの数4
ハンドピースの種類5種類
電圧1700W
ハンドピースの冷却範囲360度
温度の自動調整機能
お客様が操作可能な緊急停止ボタン

ルミクスリポクールは、5種類のハンドピースの中から、ぴったりなサイズのハンドピースを選ぶことで、最大3部位を同時に施術できます。施術部位の温度は自動で調整しますので、冷やしすぎて凍傷を起こすリスクはありません。またハンドピースを装着するだけで施術時間や温度を自動で判定するシステムを搭載。忙しい先生のお手を煩わせることはありません。

「人を増やさずに売上をアップさせたい」

「新人さんでも無理なく施術できるメニューを増やしたい」

そんなお悩みを抱えている先生におすすめできるマシンです。

脂肪冷却メニューの導入を悩んでいる方、導入を決定した方はぜひこちらの記事もご覧ください。

「脂肪冷却がどんなものなのか体験してみたい」

「実際のマシンをチェックしてみたい」

そんな先生はぜひエストラボまでお問い合わせください。エストラボ本社では無料の脂肪冷却体験も実施しております。

冷凍痩身マシンlipocool

【論文で読む】脂肪冷却ダイエットの仕組みと効果

脂肪冷却ダイエットは、先生にとっても、お客さまにとってもメリットが多いダイエットです。ですが本当に効果があるの? と心配になりますよね。そこで脂肪冷却について医学的に検証した論文をご紹介します。いずれの論文も複数の被験者に対して医学的なアプローチで脂肪冷却における皮下脂肪減少の効果について検証していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

論文1:脂肪冷却の臨床効果と患者の満足度

・背景

2012年、アメリカでは1000万件以上の美容整形手術が実施され、総支出額は110億ドルを超えたと推測されています。この数字から、外科手術と低侵襲性美容施術の両方の需要がこの20年間で250%も増加したことがわかります。しかしながら、メディアが美の基準や理想的な体型を吹聴しているにも関わらず、アメリカでは美容外科手術の件数は2000年以降16%も減少しました。これらのことから、人々は非侵襲的なアプローチによる若々しさの維持、魅力アップを求めていることがわかります。

数十年の間、ボディラインを整えるための方法は脂肪吸引のみでしたが、最近では外科的なアプローチをしない方法の競争がより激化しています。非侵襲的なアプローチによる効果は劇的なもの、即効性があるものではありませんが、外科的な処置のようなリスクや副作用はありません。

※低侵襲とは

外科的な切開や手術などに伴う痛みや発熱、出血等をできるだけ少なくする治療のことです。非侵襲とはまったく外科的な処置を伴わない治療のことをさします。

・これまでの身体の輪郭を形成する技術

近年、脂肪組織を目立たないようにするさまざまなアプローチが消費者に提供されるようになりました。

そのひとつがHIFU(高強度収束超音波)を用いた皮下脂肪組織の破壊です。超音波により細胞膜を破壊して58度以上の温度で脂肪細胞を破壊する仕組みです。HIFUでは周囲の細胞組織を破壊することなく、狭い領域の脂肪組織のみ破壊することができます。1度の施術後12週間でウエストの周囲径が2cm減少したことが報告されています。

高周波機器(RF/ラジオ波)は電気エネルギーによって皮下脂肪組織を加熱して脂肪細胞に致死的な熱損傷を与えます。もともとは、皮膚のたるみはリウマチの治療に使用されていました。高周波機器による脂肪細胞の減少は施術後3週間から8週間で確認することができます。

低レベルレーザー治療は、熱による組織への損傷ではなく脂肪細胞に一時的に穴をあけて脂質を流出させるというメカニズムです。

また音響波治療(キャビテーション)では、短いパルス波の機械的な刺激を与えてコラーゲンの成長を活性化させ、脂肪細胞周囲の血管新生を刺激。リパーゼを活性化させてセルライトの引き締めと見た目の改善をもたらすといわれています。

※血管新生

既存の血管から新しい血管を構築する現象のことです

※リパーゼ

脂質のエステル結合を加水分解する酵素のことをさします。

・脂肪冷却の概要と作用機序

脂肪冷却はこれまでの非侵襲的な方法とはまったく異なる技術です。脂肪冷却においては、脂肪細胞が他の皮膚細胞よりも冷却に弱いという前提を活用した技術です。脂肪冷却によって機能を失った脂肪細胞は、マクロファージにとりこまれて消化されます。脂肪冷却の治療直後は、皮下脂肪に変化は見られません。脂肪細胞のアポトーシスによって発生する炎症の過程は治療後3日以内に確認され、脂肪細胞が好中球やリンパ球、ほかの単核球細胞に取り囲まれて、14日程度で炎症のピークを迎えます。治療後14日〜30日ほど経過すると、マクロファージやその他の細胞が脂肪細胞を取り囲んで消化します。治療後14日が経過する頃には炎症は軽減し、脂肪細胞は減少します。治療後2〜3ヶ月で、炎症過程はさらに減少して脂肪細胞の量は明らかに減少し、隔膜と呼ばれる細胞の仕切りが組織の大部分を占めるようになります。

2010年、アメリカのFDAは脇腹と腹部の脂肪を減らすための脂肪冷却分解装置を認可しました。さらに2014年4月には当該システムを大腿部の皮下脂肪の治療法としても認可しました。

この装置は、治療部位に装着する2つの冷却パネルを備えたカップ状のハンドピースが付属しています。ハンドピースは真空状態になり脂肪細胞を含む皮膚をハンドピースに吸い込み、選択した温度まで冷却する仕組みです。各部位を45分間冷却して結果を改善するために2分間のマッサージを行います。患者は治療後すぐに帰宅して日常生活を送ることができます。

治療に必要な回数は部位によって異なります。いずれの部位も1度の施術で良好の結果が得られますが、背中や太ももの内側と外側は2回以上の治療が必要になることもあります。

脂肪冷却の臨床的有効性と安全性については、人間と動物の両方で研究されています。2つの研究で、動物モデルについては1度の施術で皮膚に有害な変化はみられず、脂肪層全体の厚さが1cmまたは40%減少しました。

また施術後2週間で、脂質を含んだ単核炎症細胞と線維性隔壁が局所的に肥厚している箇所が発見され、アポトーシスと細胞による貪食が作用機序の一因にあることが示唆されています。治療後3ヶ月の脂質を評価したところ、コレステロール値と中性脂肪は正常でした。

※脂質を含んだ単核炎症細胞と線維性隔壁が局所的に肥厚

これらの状態はアポトーシスが発生した証左といわれています。細胞死はアポトーシスとネクローシスに大別されますが、アポトーシスは細胞隔壁が破壊されないままですが、ネクローシスは細胞自体が破裂します。したがって、肥厚した繊維性隔壁が残っているということは、ネクローシスではなくアポトーシスが発生したと考えられます。

人間を対象とした複数の研究でも、動物と同等の結果が報告されています。2009年に発表された10人の被験者を対象にした研究では治療後2ヶ月で20.4%、治療後6ヶ月で25.5%の脂肪層の減少が報告されています。より最近の報告では、写真やノギス測定による発表され518人の被験者のうち86%に改善が見られたと報告されています。脂肪冷却がもっとも効果的であった部位は腹部、背中、脇腹でした。さらに患者アンケートを実施したところ73%が満足しており、82%は友人に脂肪冷却を薦めたいと考えていることがわかりました。回答者の89%が、治療期間について肯定的であったといいます。また脂肪冷却の臨床および商業使用のレポートでは528人の患者のうち結果の不満を述べたのは6人だけであり、さらにその6人も2度目の施術で満足をしたとのことです。

脂肪冷却後の脂肪量の減少を評価するために、3次元カメラを用いた研究もあります。当該研究では当初の基準線から2ヶ月経過後の平均脂肪減少量は、施術側が56.2±25.6cc、対照側(未施術)で16.6±17.6ccでした。また脂肪冷却と音響波(キャビテーション)を併用した研究では3〜4回の治療後12週間で被験者を測定したところ、脂肪周囲径で最大6.7cm、脂肪層の厚みは最大4.5cmの優位な現象が報告されています。しかしながら、こういった測定方法は再現性が低く、ボディラインの研究は困難であることを指摘すべきです。

脂肪冷却による脂肪分解の長期的な効果の持続についてはまだ評価がなされていません。脇腹を片側ずつ治療して、術後5年までの写真を追跡した被験者が2人という小規模な症例研究が発表されてるのみです。この研究によると被験者らは体重の変動にも関わらず脂肪の減少は持続していたとのことです。

脂肪冷却による脂肪の減少の持続性については、ほとんど何もわかっていない状態ではありますが、脂肪冷却後に減少した脂肪が再生するという証拠も示されていません。

安全性についてはいくつかの出版物や論文において、瘢痕や潰瘍の形成、醜状を含む脂肪冷却を原因とする重大な有害事象は報告されていません。低温状態は皮下パンニクル炎を誘発することが知られているものの、脂肪冷却による発症は報告されていません。

脂肪冷却において予想される副作用は一時的な紅斑やあざ、しびれ等であり、治療後14日以内に消失します。もっとも一般的な不定愁訴は、処置後2週間程度で現れる晩発性の痛みです。これは治療等を行わずとも消失します。

※不定愁訴

原因不明の体調不良を訴えることを不定愁訴といいます。

感覚の変化については9人の患者のうち6人の患者の皮膚感覚が一時的に低下しましたが、平均3.6週間程度で正常な状態に戻りました。また治療後の脂質レベルの変化はみられませんでした。また脂肪冷却の施術後12週間にわたる40人の被験者に対する追跡調査によると、肝機能の数値に顕著な変化は見られませんでした。

[引用:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4079633/

論文2:左腹部のみ脂肪冷却を実施し、未施術の右腹部の比較

脂肪冷却は、非侵襲的なアプローチで脂肪を減らせると考えられてきました。しかし、脂肪冷却を行い12週間の皮下脂肪組織の変化を確認した臨床試験はありませんでした。そこで15人の女性に対して脂肪冷却を行い12週間後の変化について、15人の女性の左腹部は脂肪冷却を行い、右腹部は冷却せずに比較することにしました。

その結果、脂肪冷却による脂肪の分解によって内臓脂肪組織の断面積が8.4㎠、ウエストの周囲の断面積は2.8㎠、体脂肪は0.6パーセント減少したことがわかりました。また脂肪冷却を行った左腹部については6.8㎠、未施術の部位は1.2㎠の減少となり、左腹部については一定の効果があることが証明されたといえます。

[引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33373395/

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