足や顔のむくみに悩む方は少なくありません。とある調査によると働く女性のうち約9割がむくみやすいと感じているとのこと。
サロンの先生も立ち仕事が多いため、むくみに悩んでいる方が多いのではないのでしょうか。お客さまからもむくみについて相談されることが多いかと存じます。そこで今回は、サロンの先生向けにむくみの原因から解消法までをご紹介します。
INDEX
むくみ(浮腫)とは?
むくみとは、細胞と細胞の間に水分がたまった状態のことを指します。たまっている水分は血管やリンパ管から染み出したものです。まずは血管やリンパ管から水分が染み出して溜まってしまうメカニズムを確認しておきましょう。
血管から水分が染み出るメカニズム
心臓には血液を送り出す働きがあります。心臓から全身に血液を送り届けるのが動脈です。血液は動脈を通じて全身の毛細血管を経て、静脈を通って心臓に戻ってきます。ただし毛細血管には小さな穴が開いており、そこから血しょうという成分が漏れ出しています。血管から流れ出た血しょうのほとんどがリンパ管や静脈に吸収されますが、漏れ出る量が多すぎたり、吸収される量が減ったりすると、細胞と細胞の間に血しょうがたまってしまいます。これがむくみの要因のひとつです。
リンパ管から水が染み出るメカニズム
そもそもリンパとはリンパ管を流れる液体のことで、リンパ液とも呼ばれます。リンパ液の主な成分は、血液中の血しょうと呼ばれる成分です。その他にも皮下脂肪や不要な細菌等もリンパ液の一部として流れていきます。
リンパ管とはリンパ液を運ぶ通路のことです。リンパ管のスタート地点は手足の先で、ゴールは鎖骨下の静脈であり一方通行。毛細血管から染み出た水分をリンパ管が吸収して、鎖骨下の静脈に送り届けます。
ただしリンパ菅には心臓のように水分を動かすポンプ機能はありません。血液は1分で全身を循環しますが、リンパ液は12時間から24時間ほどかけてゴールに辿り着きます。したがって、さまざまな要因によってその流れが滞留します。リンパの流れが滞ってリンパ液が細胞と細胞の間に水分がたまった状態をむくみと呼びます。
血液・リンパ液の流れが滞る原因
むくみは、血流やリンパ液の流れが滞り水分が皮下組織に染み出てたまることで引き起こされるとお話をしました。ではなぜ血流やリンパ液の流れが滞るのでしょうか。
心臓や腎臓、静脈等の病気
心臓や腎臓の機能が低下したり、静脈に病気がある場合、慢性的なむくみが生じます。むくみが日々ひどくなっている、片側だけ異様にむくむといった症状があるときは医師の診察を受けましょう。
生活習慣やホルモンバランス、水分・塩分過多など
病気を原因とするむくみ以外のむくみは、乱れた生活習慣や長時間同じ姿勢をとること、水分過多、塩分過多、ストレスなどにより血流・リンパ液の滞留が引き起こされます。また女性は男性よりも筋肉量が少なく血液やリンパ液を送り出す機能が弱く、血流やリンパ液の流れが滞りこおりやすい傾向です。さらに肥満気味の方もリンパ管が脂肪で圧迫されて滞りやすくなります。
【一過性のむくみのおもな原因まとめ】
・座りっぱなし、立ちっぱなしなど
・水分のとりすぎ
・塩分のとりすぎ
・ストレス
・運動不足
・筋肉不足
・ホルモンバランス(生理中は体が水分をためやすい)
むくみによって引き起こされること
むくみにはさまざまな弊害があります。むくみは、美容面、健康面においてさまざまな弊害を引き起こします。
本来の姿よりも太ってみえる
むくんでいると太って見えてしまいます。とくに足首や顔など、衣服で隠れていない部分はむくみによる影響がわかりやすい傾向です。ひどくむくむ方は、朝と夜で足首のサイズが数センチ変わってしまうこともあります。
肌荒れがおきやすくなる
リンパ液の主な成分である血しょうや老廃物です。リンパ管から漏れ出したリンパ液の中にも老廃物が含まれます。それらの老廃物が細胞の間にたまってしまうことでお肌が炎症を起こしてしまうのです。
肌がたるみやすくなる
顔のむくみは、足よりも解消しやすいといわれています。「朝起きたときはむくんでいた顔が、お昼頃にはすっきりしていた」という経験を持つ方も多いのでは?
じつは、このような顔がむくみやすい状態を放置しておくと、たるみやすくなってしまいます。むくんだり治ったりといった状態が続くと表皮が伸びてしまうのです。むくみが、将来のフェイスラインや目元、マリオネットラインのたるみを引き起こしてしまうかもしれません。
脂肪細胞が蓄積しやすくなる
最近の研究ではリンパ管からもれだした脂肪酸という成分が、脂肪細胞の分化を促進していることがわかっています。リンパ管からリンパ液がもれだしてむくんでいる部分では、脂肪細胞が蓄積しやすいのです。これが顔で生じた場合はたるみとなります。
冷えやすくなる
むくんでいる状態とは血しょうなどのリンパ液が細胞と細胞の間に溜まっている状態のことでした。これらの水分は血管やリンパ管を圧迫してしまいますので、血流やリンパの流れが滞ります。すると血行不良が引き起こされ冷えが起きやすくなるのです。血行不良、リンパ液の滞留が続くとさらにむくみやすくなり、負のループに陥ってしまいます。むくむから冷えやすくなり、冷えるからさらにむくむようになってしまうのです。
サロンで導入できるむくみケア
美容面でも健康面でもさまざまな弊害が生じるむくみ。頑固な肌荒れやたるみ、痩せにくさ等はむくみを解消しなければ改善できないケースもあります。痩せにくいお客さま、肌荒れが多い、血色が悪いお客さまにはむくみケアからスタートしてみるのも一つの手段です。ここではサロンで導入しやすいむくみケアについて解説いたします。
リンパマッサージ
むくみケアの王道といえばオールハンドによるリンパマッサージです。古くから行われている手法ですが、むくみの解消には大きな効果が期待できます。医療機関においてもむくみ(浮腫)の解消には、理学療法士による手技が行われているほどです。
サロンで行う場合は、マッサージオイルを使いたっぷりと時間をかけて全身のリンパを流してあげましょう。フェイシャルサロンであっても、お客さまがパック、鎮静中等の隙間時間にむくみ解消マッサージをして差し上げると喜ばれます。
むくみ解消マッサージについてはこちらの動画でも解説しておりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
エストラボでは各種マッサージオイルやジェルを販売中です。心地よい香りがするもの、スリミング効果が期待できるものなどがありますので、複数のマッサージオイルを用意しておくとさまざまなお客さまのニーズをキャッチできますよ。
ヒートマット
むくみの解消方法のひとつが体を温めることです。サロンにヒートマットがある場合は、施術前にお入りいただくことで体の芯から温めて冷えを解消することができます。またヒートマットで温めることで新陳代謝が活発化し、毛穴の詰まりがとれやすくなったり肌のくすみが改善されやすくなったりといった効果も期待できます。むくみで悩んでいるお客さまにオプションとしておすすめするとよいでしょう。
電磁パルス痩身やEMS等による筋肉への刺激
むくみは筋肉量が少ないことも要因のひとつです。筋トレ等で筋肉を増やしてもよいですし、それが難しいお客さまには電磁パルス痩身やEMSなどの筋肉に刺激を与える施術を提案してみましょう。電磁パルス痩身やEMSは、仕組みは異なりますがそれぞれ筋肉を強制的に収縮させる仕組みです。定期的に施術を行うことで、筋肉量が増えてむくみにくい体になります。
エストラボの電磁パルス痩身マシン ルミクスマグフォースは、インナーマッスルまで強制的に収縮させることができ、30分で5万回の腹筋運動に相当する運動量を確保できます。体験会も実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ホームケアに取り入れたいむくみケア
むくみケアはサロンでのスペシャルケアと並行して自宅でのホームケアが欠かせません。お客さまには、以下のようなホームケアをおすすめしてみましょう。毎日の施術でお疲れの先生、スタッフの皆さまもぜひ取り入れてみてください。
毎日湯船に浸かって温まる
お風呂で体を温めることで血流が促進され、むくみが解消されます。湯船に入ることでむくみやすい下半身に圧力がかかり、血液、リンパ液ともに流れやすくなります。湯船に入る時間がないときは、洗面器にお湯を貯めて体を洗っている間だけでも温めるとよいですよ。
マッサージしながら保湿する
リンパ液は手で優しくマッサージするだけでも流れていきます。お風呂上がりの保湿タイムに、リンパの流れを意識しながらクリームやオイルを塗るだけでも、むくみ解消効果が期待できます。リンパのセルフマッサージのコツは体の末端から中心に流すこと。また全身の「リンパ節」を意識して流すことで、より効果を実感しやすくなります。手でのマッサージは疲れてしまう、面倒だなと感じる方はマッサージ器を使用してもよいでしょう。
意識的に体を動かす
立ちっぱなし、座りっぱなし、運動不足によるむくみの解消には運動が最適です。意識的に階段を使う、歩く、ストレッチを行うなどでも構いませんので、日々の生活の中で動くことを意識してみましょう。
むくんだ箇所を上げておく
水分は重力に従って上から下に移動します。したがって物理的に高くすることで水分が移動してむくみが解消しやすくなります。椅子やソファに座るときはオットマンを置いて定期的に足をあげておいてもよいですね。サロンの先生は、お客さまがいらっしゃらない時間だけでも足を高くしておくとよいでしょう。
塩分をとりすぎない
塩分を摂取しすぎると体が塩分の濃度を一定にしようとして水分をためこむ性質があります。日々の食事の塩分量も意識しておきましょう。外食が多い方、スナック菓子を多く食べる方は塩分過多になりがちです。「今日は塩分を摂りすぎたな」と感じる日はカリウムやマグネシウムなどの塩分の排出を促す栄養素が含まれる食べ物を意識的にとるようにしましょう。きゅうりやバナナ、海藻などがおすすめです。
サロンにむくみケアをとりいれたい先生はエストラボにご相談を
今回は多くの女性が悩むむくみの原因と弊害、解消法についてお届けしました。むくみをケアするだけで、お顔のトーンがあがったり、肌荒れが解消したりといったメリットがありますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。エストラボでは、専門のインストラクターがハンド、マシンのスキルをご案内しております。むくみを解消できる美容機器も取り揃えておりますので、まずはお気軽にご相談ください。