『サロンにとって重要なお客様は誰なのか…』と考えたことがありますか?サロンに来店してくださるすべてのお客様を大事にしたい、平等に接したいという気持ちは分かりますが、サロン経営はあくまでもビジネス。激安クーポンで来店するお客様や半年に1度しか来店しないお客様と、毎月必ず来店してくださるお客様やコース契約などをして年間何十万という金額を使ってくださるお客様に対して同じように対応していては売上げアップは望めません。個人・小規模サロンにとって大事にすべきお客様は、なんと言っても「常連さん」(固定客)です。そこで今回は、「お客様がずっと通いたくなるサロン」にしていくための秘訣をお伝えしましょう。
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「常連さん」を大事にすべき理由とは!?
一般的に脱毛・エステサロンの売上の多くは、来店頻度が高く、利用金額が多い「リピート顧客」と「常連さん」によって構成されていると言われています。実際に、初回のお客様はクーポン利用での来店が多く、広告宣伝費やクーポン発行の費用など、お金をかけて集客しても売上に結びつかないのが現実。その上さらに、クーポン利用のお客様の多くは残念ながら同じような激安クーポンを求めて競合サロンに移ってしまう可能性が高いと言わざるを得ません。その点、他店に浮気せず通い続けてくれる「常連さん」は有難い存在です。定期的に来店してくれるということは、サロンの利益を継続的に生んでくれるということなのですから。一度限りのお客様と通い続けてくれるお客様、サロンにとってどちらが大事かは一目瞭然ですよね。
もちろん、「常連さん」以外のお客様を大事にしなくてよい、というわけではありません。以前「大切なお客様を逃してませんか?個人サロンの経営を支える、新規客のリピーター化について」でお伝えしたとおり、新規で来店したお客様へもしっかりアプローチしてください。一度来店したお客様を逃すことなく囲い込む(リピーター化)ことができるかどうかが、すべてのキーポイント。なぜなら、新規のお客様がリピーターとなり、そして「常連さん」になっていくのですから。新規のお客様を定着させ、「常連さん」にすることで、売上アップはもちろん、安定経営を実現することができるでしょう。
すべては、お客様のことを知ることから始まる!?
サロンにとっての重要顧客は誰なのかを把握するために、お客様を分析してみることをおすすめします。顧客分析の方法はいろいろありますが、ここでは「RFM分析」という方法をご紹介しましょう。
「RFM分析」では下記3つの視点でお客様を分けますので、ずいぶん前に一度しか来店していないお客様、少額だけど最近来店したお客様、何度も来店して使ってくださる金額も多いお客様など、お客様の性質・状況を知ることができるのです。
①Recency(リセンシー):最新来店日
⇒何年も前に来店したお客様より、最近来店したお客様のほうがより良いお客様と考えます。お客様の来店履歴をみて「最後に来店したのは“いつ”なのか?」を確認してください。
②Frequency(フリークエンシー):来店頻度
⇒来店頻度が高いほど良いお客様と考えます。お客様の来店履歴をみて「これまで何回来店しているか?」を確認してください。このFが高いお客様が「常連さん」となります。「常連さん」ばかりでも、Fが低い新規のお客様ばかりでもダメ。ふたつのバランスを考えて集客方法などを考えるようにしましょう。
③Monetary(マネタリー):使用金額
⇒お客様がサロンで使った金額の合計で、この金額が大きいほど良いお客様と考えます。お客様の来店履歴をみて「使った金額の合計はいくらか?」を計算してください。
~RFM分析の解釈~
(例1) Rが高いお客様ほど将来的にサロンの収益に貢献する可能性が高い
(例2) Fが高いお客様は「常連さん」
(例3) FやMが高くてもRが低いお客様は、他サロンに奪われている可能性が高い
「常連さん」とサヨナラしたくない!離脱させないための方法とは!?
お客様は何かしらの目的やゴールを持って、脱毛・エステサロンに来店します。特に、脱毛や痩身は「自己処理が要らない状態になる」や「痩せる」という明確な目的を持っていらっしゃる場合がほとんど。ですがその場合、その目的を達成すると、もうお客様にはサロンに来店する理由がなくなってしまうのです。せっかくリピート来店してくださっていた「常連さん」とサヨナラしなければなりません。そうなれば、その後のサロンの売上にも響いてしまうでしょう。だからこそ、「常連さん」をずっと繋ぎとめておく方法を考えなければならないのです。今回は、離脱する前、離脱してしまった後、この2パターンで有効な方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
「美しくなりたい」という心理をついて、自然な形で他メニューを提案しよう!
脱毛・エステサロンにいらっしゃるお客様みなさんに共通しているのは「美しくなりたい」という想い。脱毛が目的のお客様も、痩身が目的のお客様も、シミやシワ、たるみでお悩みのお客様も想いはひとつ、「いつまでも若々しく、美しい自分でいたい!」ということなのです。お客様がひとつの目的を達成されたなら、その心理をついて、さらに上の目的を用意してあげるようにしましょう。
たとえば、痩身メニューで目標を達成したお客様には、年齢という波によっていずれ崩れてしまうであろうボディラインを保つために「エイジングケア」を提案。女性なら誰しも、一度手に入れた美しいボディラインを奪われたくはないものですから。ただ、完全に痩身の目的を達成した後に、突然『次はこれを…』と提案しても契約を取るのは難しいかもしれません。痩身の施術を行っている間に「エイジングケア」の施術も体験していただく機会を設けることをおすすめします。実際に施術の良さを体感していただくことが大切ですよ。脱毛の場合も、特定の部位だけのお客様であれば、他の部位に繋げていくことが大事です。また、脱毛以外のメニューを導入しておくことで、全身脱毛が完了した後も、美を極めるための次なるステップを提案することが可能となるでしょう。
あなたのサロンに通うことで「若さと美しさをキープできる」のであれば、お客様はずっとあなたのサロンに通いたいと思ってくださいます。そう思ってくださるお客様が増えれば増えるほど、売上は安定し、経営が楽になっていきますよ。
“えこひいき”をして「常連さん」のモチベーションを上げよう!
来店回数や使った金額に応じてランク付けされ、割引率を上げたり、1回無料で施術して差し上げたり、なにか特典を提供するようなシステムを作ってみるのもよいでしょう。たとえば、メンバーズカードを作り、ご来店ごとにスタンプを押して、2回目は3,000円割引、3回目は5,000円割引、3回目は7,000円割引…5回目は1回無料というように。コース契約をされているお客様には、他メニューの施術や化粧品などのプレゼントがよいかもしれませんね。
新規のお客様には激安クーポンを発行しているのに、何度も通っている「常連さん」に対する割引や特典がないサロンは意外と多いもの。ですが、それでは「常連さん」のモチベーションは下がる一方です。サロンにお金を落としてくれる「常連さん」をどんどん“えこひいき”してくださいね。そうすることで、「常連さん」は『あと何回行けば無料になる!無料になるまで通おう!』とモチベーションを上げて通ってくださいますよ。
離脱したお客様へ、心をこめてメッセージを送ろう!
「RFM分析」の結果、R(最新来店日)が低い場合は、競合サロンに行っていたり、目的を達成してサロン通いを止めたりしている可能性が高いです。F(来店頻度)とM(使用金額)が高いお客様は、サロンにとってとても大切なお客様。もう一度サロンに来店していただけるよう働きかけてください。メールやDMであれば、お客様にとっても受け取りやすいと思います。ただ、一目見ただけで定型文と分かるようなもの、すべてのお客様に送ってそうなありきたりな内容のもの、販促目的という印象を強く受けるようなものは絶対に送らないよう気をつけてくださいね。大事なのは、『あなたはとても大切なお客様です』という気持ちが伝わるメールやDMを送るということです。DMであれば直筆のメッセージ、メールであれば、明らかに自分だけに向けた内容だと分かるメッセージを送りましょう。そして、『ぜひとも、もう一度ご利用ください』という言葉と共に、他サロンにはないような大幅な割引など、インパクトのある特典をご案内してください。この場合の特典は大胆すぎるぐらいでいいのです。お客様の心を惹きつけなければ意味がありませんからね。
メッセージを送る相手は、一度あなたのサロンから離れたと言っても、以前は何度も来店してくださり、多くのお金を使ってくださった「常連さん」です。反応率は決して悪くはないはずです。もし再来店してくださったときには、『やっぱりこのサロンはいいな』『自分にはこのサロンが合ってるな』と感じていただけるよう精一杯のおもてなしでお迎えしましょう。
まとめ
何もしないで新規のお客様がどんどん来店してくれるサロンなど、どこにもありません。ほとんどのサロンが広告宣伝費を使って新規のお客様を集めています。その上さらに、初回のお客様はクーポン利用などが多く売上への貢献度は低いのが現実。事実、どんなサロンでも「常連さん」のリピート来店が売上の大半を占めていると言われています。
「常連さん」は、サロン経営を支えてくれる重要な存在です。あなたのサロンを「お客様がずっと通いたくなるサロン」にして、「常連さん」を多く獲得していきましょう!