前回は「集客」と「販促」の違いについてお伝えしました。集客からの販促活動という順番で、尚且つお客さま視点でアプローチの仕方を考えることが重要だということを、ご理解いただけたのではないでしょうか。そこで今回は、より効果的に集客、販促活動をしていただくために、「販促ツール」をご紹介したいと思います。ぜひ、今後のサロン運営にお役立てください。
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「販促ツール」とは?
どんなに素晴らしいサービスを提供しても、施術内容や技術に自信があっても…、来店してくださるお客さまがいなければ意味がありません。やはり、サロンを運営していくには、新規のお客さまを呼び込んでくれるもの、リピーター獲得に役立つものが必要です。「販促ツール」とは、集客は販促活動を支援するためのツールやシステム、媒体のこと。様々な種類がありますので、目的に合った「販促ツール」を使い、効果的にお客さまにあなたのサロンをアピールしましょう。
定番の「チラシ」、配布方法とメリット&デメリットとは!?
オーソドックスな集客、販促方法ではありますが、「チラシ」は脱毛・エステサロンの販促ツールとしてよく使われているもの。商品やサービスに関して、伝えたい情報をある程度詳しく掲載できるため、あなたのサロンの“売り”をアピールすることも、競合サロンとの差別化ポイントを伝えることも可能です。ただ、一言でチラシと言っても配布方法は様々。反響を増やすためには、ターゲット層に合った配布方法を考えなければなりません。今回は「新聞折込チラシ」「ポスティングチラシ」「街頭配布チラシ」、この3種類をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「新聞折込チラシ」について
新聞と一緒に配布される「新聞折込チラシ」の最大のメリットは、なんといっても短期間で一気に、出店エリアに沢山のチラシを配布できることでしょう。受け取り手は新聞を購読している方となりますので、金銭的に余裕がある方が比較的多いのもメリット。また、高年齢層をターゲットにする場合も、この配布方法は効果的です。しかし、近年は新聞購読者が減ってきているという現状があります。また、枚数が多く必要になるため、チラシの印刷・折込費用が高くついてしまうという点もデメリットと言えるでしょう。
「ポスティングチラシ」について
「ポスティングチラシ」は、マンションや個人宅、会社などの郵便受けに直接配布するチラシです。新聞折込よりも細かく配布エリアを絞ることができるため、サロンのターゲット層にピンポイントで配布することが可能となります。チラシはターゲット層に配布することができれば問題ないわけですから、新聞折込より枚数を減らすことができ、その分コストを抑えることができるでしょう。
また、A4サイズやはがきサイズなど、サイズも予算に合わせて選ぶことができますので、新聞折込に比べると費用の面ではメリットが多いかもしれません。ただ、頼んでもいないものが郵便受けに入っているわけですから、受け取り手の“気持ち”を考えることが大事。チラシのサイズやデザイン、内容、配布するタイミングやペースなど、様々なことに配慮しなければなりません。あまりしつこく配布しすぎると、かえって信用を失ってしまう危険性がありますので、その点はご注意ください。
ポスティング業者などに依頼をして配布するケースが多いと思いますが、配布人員によって1日あたりの配布枚数が限られてしまい、配布に時間がかかってしまうこともデメリットとなります。
「街頭配布チラシ」について
「街頭配布チラシ」は、店頭や駅前、街中などで、直接手配りするチラシです。渡す人を直接目で確認することができるため、ターゲットを間違えることはありません。また、声を掛けながら配ることもできますので、宣伝効果が高まるという点もメリットと言えるでしょう。ただ、野外での配布は天候に影響されますし、ティッシュなどの実用品以外は受け取ってもらえる可能性が低い、という点がデメリット。手配りできる枚数には限りがありますので、配布したい枚数によっては、配布人員のコストも高くなってしまいます。
街を歩けば必ず目にする!「A型看板」とは!?
店舗の入り口や道端に設置される立て看板をご覧になったこと、ありますよね。横から見るとアルファベットの「A」の形に見えることから、あの看板は「A型看板」と呼ばれています。両面表示できるものが一般的で、ポスターなどの印刷物を貼ったり、差し込んだりして使用するタイプとチョークやマーカーで手書きして使用するタイプがあります。
「A型看板」の大きなメリットは2つ。ひとつは、差し込みタイプや手書きタイプの場合、簡単に差し替えたり、書き直したりできるところです。特に手書き看板の場合は、手書きならではの温かみや、他サロンにはないオリジナリティを出せますので、差別化に最適な販促ツールと言えるでしょう。もうひとつは、畳むとかさばらず、持ち運びが楽にできる、という点。急な雨や強風の際には、すぐに片づけることができますので安心です。
しかし、即効性に関しては低いと言わざるを得ません。地域や場所によって、道に設置することが禁止されているケースもありますので、そこも気を付けなければならないポイントです。
「フリーペーパー」と「美容系ポータルサイト」、その効果は!?
「フリーペーパー」と「美容系ポータルサイト」は、女性が見ることが多いと言われていますので、脱毛・エステサロンの集客に効果的です。特にフリーペーパーは地域に密着したタイプが多く、「HOT PEPPER Beauty」などの美容系に特化したものであれば、『出店エリアに住む、脱毛やエステに興味がある人』という、いわゆる“見込み客”に見てもらえる可能性が非常に高いのです。ただ、フリーペーパー自体が無料ですし、安いもの、安いお店を探すために見ることが多いため、低価格のメニューやキャンペーンで新規集客はできても、そのお客さまがリピーターになってくれる可能性は低いと言わざるを得ません。また、近隣の競合サロンも同じ媒体に広告を出しているケースが多く、ほぼ間違いなく他店と比較されてしまうでしょう。
インターネット上で美容関係の情報を集めたポータルサイトは、もともと美容に興味がある方が見ますので、こちらも“見込み客”を集めることに適しています。ですが、やはりフリーペーパーと同じで、新規集客には向いているのですが、低価格に惹かれて来店するお客さまは、それっきりになってしまうことが多いでしょう。そしてこちらも競合サロンが多数キャンペーンを展開していますので、比較検討されてしまう点がデメリットになってしまいます。
つまり、フリーペーパーや美容系ポータルサイトは、新規集客に向いているものの、リピーター獲得には不向きだということ。それから、裕福層はフリーペーパーを手に取りませんし、ポータルサイトで情報を集める方も少ないと思います。もしあなたのサロンが40代~50代の裕福層をターゲットとしているのなら、生活にゆとりある中高年層が購読する雑誌などに広告を出す方がよいでしょう。紙媒体の広告や、ネットの広告は、ターゲットに合わせて掲載することをお勧めします。
「インターネット」で情報を発信!
~HP、ネット広告、SNSについて~
インターネットは大勢の人が目にするもの。その集客力は非常に高く、使い方次第で凄まじい効果が出ます。パソコンやスマートフォンを持っている人も増え続けていますので、もはやこの販促ツールを使わないという選択肢はありません。「ホームページ」を作れば、自分のサロンの情報や魅力を存分に発信することができますし、「ネット広告」を使えば、そのホームページに効率よく誘導することも、“見込み客”に見てもらうこともできます。ブログやfacebook、インスタグラム、twitterなどの「SNS」を使えば、無料でサロンの情報を簡単に発信でき、サロンやあなた自身のファンを作ることもできるでしょう。
しかし、メリットばかりではないのがインターネット。ホームページを見てもらうには、SEO対策など、様々な対策が欠かせません。ネット広告も大きな成果を出すにはそれなりのノウハウが必要ですので、素人では難しいのが現実。SNSもフォロワーを増やすにはコツがありますし、SNSでファンを増やしていくのは地道な努力が必要です。こうしたデメリットもありますが、凄まじい効果が期待でき、無限の可能性を秘めているのもまた、インターネットを使った集客、販促というもの。あなた自身が抵抗なくできるもの、あなたのサロンに合っているものを、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
DMは反応率が高い!それって本当!?
「DM」は、一見するとチラシを小さくしたものに見えますが、実はその目的は全く違います。基本的にチラシは1回も来店したことがない人に配るもの。DMは実際に来店して住所を教えていただいたお客さまに送るもの。送料がかかりますので、1枚(1通)あたりのコストはチラシの方が断然安いのですが、1回でも来店したことがある人の方が、間違いなく反応は高いです。一般的に言われている反応率の数値は、新聞折込チラシが0.1%~0.3%、DMが3~15%。つまり、来店経験があるかないかで、反応率は少なくとも30倍、多ければ150倍もの差が出てしまうということ。新規集客にはチラシ、既存顧客(リピーター集客)にはDMと、使い分けるとより効果的に集客できるでしょう。DMは既存顧客へアピールするための大事なツールとなりますので、来店したお客さまの情報(住所など)をしっかり聞き出し、できるだけ多くのハウスリスト(既存顧客リスト)を集めるようにしてください。
まとめ
安定的に、定期的に新規顧客を確保したい、リピーター、固定客を獲得したい、休眠客を掘り起こしたい、客単価を上げたい…など。サロンを運営していく上で、集客と販促に関する悩みは尽きません。販促ツールの効果や特性をしっかり理解し、お客さまに対してより効果的にアプローチしていってくださいね。