コラムCOLUMN

第二弾本気のカウンセリングセミナーレポート【前編】

2023年12月25日

エストラボでは日本全国の美容サロンさま、開業を検討している方を対象にセミナーを実施しています。中でもとくにご好評をいただいているのが、エストラボの会長大島正人が講師を務める本気のカウンセリングセミナーです。本セミナーは全三回でエステサロンが売り上げをアップするためのマインドやカウンセリングの手法をお届けしています。

本セミナーの第一弾は2023年6月から3か月に渡り実施し、第二弾を2023年12月にスタートいたしました。本記事では本気のカウンセリングセミナー第二弾第一回目の様子を【前編・後編】でお届けします。前編ではセミナーの内容のダイジェスト版をお届けします。

講師：大島正人

フレンチシェフ、大手下着メーカーを経て化粧品や美容商品の企画・製造・販売からOEM製品、サロン経営まで幅広く展開。
57歳で美容事業、脱毛サロン、エステサロンをほぼゼロスタート。5年で100店舗100億円を目標に掲げる。結果63歳で店舗数は90店舗プラス美容事業で年商160億円達成。2023年マレーシアに現地法人設立。
「仕事は人のためにする」をモットーに、事業に垣根を設けず更なる企業の飛躍にチャレンジし続けている。

INDEX

売上を作ることで事業をスケールできる

私は若い頃からさまざまな事業に挑戦してきました。フレンチのシェフや不動産営業、補正下着の訪問販売や鍋の販売などさまざまです。脱毛・エステサロン事業、美容機器メーカーの事業を手掛け始めたのは8年ほど前のことです。最初は銀座の1店舗からスタートしました。そしてM&Aも実施しながら8年で100店舗までサロンを増やすことができました。

「なぜそこまで成長できたのか」と聞かれますが、難しく考える必要はありません。要は売り上げを作ればよいのです。売り上げが増えればキャッシュが増えて、新しいお店を買うことができます。ではどうすれば売り上げをアップできるのか、それは簡単なことです。

私が実践してきたのは「人に先んじて新しい施術や機械を取り入れること」と「目標を設定すること」です。ただし新しい機械をいれて、目標を設定したところで実際にカウンセリングで契約が取れなければ意味がありません。

そこで本セミナーでは経営の基礎であり、売り上げを作る基礎となる「目標の設定と達成方法」と「カウンセリングの手法」についてお話ししていきたいと思います。

目標設定と振り返りは経営の基礎

私は目標を設定すること、そして振り返りを実施することが経営の基礎であると考えています。

サロン経営における目標の重要性

エステサロンや脱毛サロンの場合は、サロングループ全体の目標だけでなく、個別の店舗、部門、そして担当者ごとの目標が必要です。

私が立て直しを図ったとあるサロンは、目標を設定するだけで月商3万円から月商1,000万円まで成長できました。売上の目標は経営者やマネージャーだけが知っておけばよいというものではありません。スタッフ一人ずつが全体の目標、個人の目標を知っておくことが必要です。目標を設定するだけで、人間は「目標を達成しなければ」と考えるようになります。

意識が高くないスタッフは小さな成功体験からスタート

とはいえ、すべてのスタッフが上昇志向が強く、目標を達成することに強い喜びを感じるわけではありません。これまで誰かに承認されたことがない人間、成功した経験が少ない人間は、売上目標を設定しても気持ちが奮い立たないこともあります。そんなときは身近な目標を設定してあげてください。

「今日はお客さま用のタオルをきれいに畳んでみようね」

「ワゴンを整理整頓してみようか」

こんな目標でよいのです。まずは「できる！」を体験させてあげてください。すると承認欲求が満たされます。小さな成功体験が積み重なることで、頭の中で成功のシミュレーションができるようになります。

次のステップは「月に1件だけ契約をとってみよう」「1つだけ化粧品を販売してみよう」です。目標をクリアする楽しさを感じられるようになれば第一段階は終了です。個人別の売上目標を設定することで、コンスタントに契約を取れる人材になり得ます。

目標の設定と振り返りはセットで

目標設定と振り返りは必ずセットにしてください。目標を立てただけで達成状況がわからなければ意味がありません。自分がどんな道を歩いたのかがわからない迷子の状態と同じです。振り返りはサロン全体だけでなく個々の数字についても行いましょう。

売上はカウンセリングのうまさで決まる

エステサロンではカウンセリングでお客さまのお悩みを伺って、解決策を提案します。これがカウンセリングです。カウンセリングでいかに契約してもらうのかがエステティシャンの腕の見せ所となります。

この際に注目すべきポイントは契約率と顧客単価です。契約率と単価をアップさせるだけで売上を2倍にも3倍にもすることができます。

ではさっそく、カウンセリングのポイントについて説明してまいりましょう。

大前提：エステサロンの基本はコース契約

カウンセリングの極意についてお話をする前に、大前提の条件をお話ししておきます。エステサロンの売上はコース契約で作ることが重要です。なぜならば、お客さまをキレイにするためには継続して通うことが必須だからです。脱毛であれば3週間に一度、痩身であれば週に1回から2回の頻度で通っていただかなければ効果が実感できません。

ですがコース契約について、ネガティブなイメージをもつ先生が少なくありません。「お客さまのことを考えると、できるかぎり金銭的な負担が小さい都度払いやセルフサロンがよいのでは？」と考えがちなのです。たしかにお客さまにご提案する金額を比較すると都度払いやセルフサロンのほうが、負担が小さくお客さまに寄り添っているように思えます。

しかし、お客さまが求めていることは「キレイになること」です。1年に一回だけ都度払いのエステに通うお客さまと、毎週通うお客様。どちらがキレイになるのかは考えるまでもありませんよね。継続して通っていただくためにはお客さま自身に「通わなければ」と強く感じていただく必要があります。そのツールのひとつがコース契約なのです。

アイスブレイクでお客さまに安心と親しみを

カウンセリングはアイスブレイクが成功の鍵を握っています。アイスブレイクとは、おもに初対面の人同士の緊張感をほぐすためのコミュニケーションのこと。エステサロンのカウンセリングだけでなく、企業で行われる面接や会議でもアイスブレイクは重視されています。

エステサロンにおけるアイスブレイクのコツは「笑顔」です。私はとある会社で大きなひまわりのような笑顔を持つ女性事務員に出会いました。「彼女を事務に従事させるのはもったいない」とその会社の経営者に話したほどです。縁あって彼女は私のサロンで働くことになったのですが、あっという間にトップセールスを叩き出しました。彼女がお客さまの気持ちを掴めた理由は笑顔にあります。まずは笑顔を作ることを心がけてください。

コース契約をおすすめするときは負担感のない伝え方を心がけて

コース契約の金額は10万円以上となることがほとんどです。フェイシャルエステであれば、ボリュームゾーンは30万円程度でしょうか。おすすめするときは、もちろん総額をお伝えする必要はありますが、月割りや日割りにするなど、負担を感じにくいようにお話をするとお客さまは決断しやすくなります。ランチ代と比べるなど、お客さまの身近かつ定期的な出費とエステ代を比べてみるとよいですよ。

お客様の「お断り」に納得したらカウンセリングは終了

お客さまが何らかの理由でコース契約を断ってきたとき、その断り文句に納得したらカウンセリングは終了してしまいます。「お金がない」と言われて「そうだよね、高いよね」と寄り添えばそれで終了です。「家族に反対されそうだから」と言われて「たしかにそうですよね」といってしまえばそれ以上お話を進めることはできません。カウンセリングではお客さまに寄り添うことも大切ですが、寄り添いすぎることでお客さまをキレイにして差し上げる道が絶たれてしまう可能性があることも理解しておきましょう。

「お金」を理由に断る時点でお客さまの「欲しい度」が足りない

そもそもですが、人は本当に欲しいものはお金があってもなくても買います。自動車や住宅、時計やバッグなど、欲しければローン契約で購入するはずです。私も、手持ちのお金が足りないのにとあるライターが欲しくなって、ローンを組んで購入したことがあります。帰り道は嬉しくて嬉しくて何度もライターを取り出して眺めてしまいました。

このような経験は誰にでもあるでしょう。欲しければ、人間はどうやってでも手に入れようとします。つまり「お金がないから」「高すぎるから」とお客さまが断ったということは、お客お客さまの欲しい気持ちを十分に引き出すことができなかったということ。カウンセリングで、施術の魅力を十分に伝えきれなかったということです。

ただし本当に欲しいのに「エステに通ってもよいのかな」と躊躇してしまう方もいらっしゃいます。そんな方は、軽く背中を押して差し上げるだけでご契約いただけます。お客さまの様子をじっくりと観察して「本当にキレイになりたいけれど決断できないだけ」なのか、「エステの契約に前向きではない」のいずれなのかを判断しましょう。

第2弾後編はこちら