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 【2023年最新】サロン開業の準備!事業計画書の作成方法をわかりやすく解説

サロンを開業する際の準備の中でもとくに力を入れたいのが「事業計画書」です。サロン経営はふんわりとしたイメージや夢だけでは成功できません。無計画で開業して大失敗してしまうオーナー様も少なくありません。また事業計画書は融資や補助金の申請にも必要になります。自己資金で開業するオーナー様も、資金を調達して開業するオーナー様も事業計画書を作成して開業の準備を進めましょう。本記事では事業計画書の概要や作り方について具体的にくわしく解説します。

事業計画書とは? 意味と使い道を確認!

まずは事業計画書の意味や使い道について説明します。事業計画書ってなに? 何に使うの? と疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてくださいね。

事業計画書は経営者の頭の中にある計画を見える化したもの

事業計画書はかんたんにいうと経営プランです。あなたの頭の中にあるサロンのコンセプトや経営の計画を数字と言葉で表現します。

たとえば「30代以上のバリキャリ女性向けのトータルビューティーサロンを開きたい」と考えているとします。そのサロンを開業して、経営していくための情報を詰め込んだものが事業計画書です。具体的には以下の項目を盛り込みます。

  • 創業の動機
  • オーナー様のキャリアや実績
  • 提供するサービスの内容
  • 想定する顧客
  • 従業員の人数
  • サロンのコンセプト
  • 必要な開業資金
  • 必要な運転資金
  • 融資が必要な場合はその金額
  • 売上予測
  • 経費予測
  • 集客方法
  • 開業後1年程度の収支の予測

「こんな難しそうなことを細かく書くのは大変そう!」と不安になるかもしれませんが、ご安心ください。のちほど項目別にくわしく書き方を解説します。

エステサロンの事業計画書の使い道

事業計画書の使い道は大きく分けると以下の3通りです。

  • オーナー様の思考の整理
  • 金融機関から融資を受けるための必要書類
  • 補助金を申請するための必要書類[事業再構築補助金など]

オーナー様の思考を整理して、開業後のサロン経営を円滑に進めるための事業計画書であれば、細部まで細かく記載する必要はありません。しかし、金融機関に融資を申し込む場合や補助金を申請する場合には、事業計画書は審査を左右する重要な要素のひとつになります。融資や補助金の申請を検討している方は、丁寧に事業計画書を作成しましょう。

事業計画書にテンプレートはある?代表的なフォーマットを紹介

初めての事業計画書の作成は、何をどのように書けばよいのかわからず悩んでしまいますよね。ですが事業計画書はある程度フォーマットが決まっています。外部への説明資料として事業計画書を使わないのであれば、書き方は自由です。

ここでは一例として日本政策金融公庫が公開している事業計画書を紹介しますね!

【引用:日本政策金融公庫「新たに美容業を始めるみなさまへ 創業の手引き+」】

実際の事業計画書を見てみると、それほど難しくなさそうですよね。この書類さえ全部書き込めば事業計画書は完成です。

徹底解説! エステサロン向けの事業計画書の書き方

ではさっそくエステサロンや脱毛サロンを開業する際の事業計画書の書き方をレクチャーしますね。ここでは日本政策金融公庫の事業計画書をモデルに解説します。

(1)創業の動機

「創業の動機」はあなたが事業を開始しようと思ったきっかけを書きます。創業の動機には客観的に見て「それなら創業したほうがよいですね」と思われるような内容を書きましょう。創業の動機に盛り込むポイントは「自分の動機」と「創業できる物理的・経済的な環境が整ったこと」を盛り込むとよいですよ。

  • 独立を夢見てエステティシャンとして10年間勤務し、独り立ちできるスキルを身につけたため独立を決意し開業を決めた
  • ワーキングウーマンが好んで通う商業施設に空きテナントが出た
  • 現在の勤務先で固定客がついてきた

このように客観的に見て「この人はしっかりと先のことを考えてサロンを開こうとしているんだな」とわかるものになっていればオッケーです。日本政策金融公庫の事業計画書の記載スペースはたった4行ですので、足りない部分は別紙に記載して添付しましょう。

(2)経営者の略歴等

「経営者の略歴等」は、履歴書や職務経歴書だととらえて問題ありません。あなたがエステサロンの開業できるスキルや経験を持っているかどうかがわかるように詳しく記載しましょう。

①略歴

略歴は職務経歴書です。あなたがいつからいつまで、どこでどんな経験を積んできたのかをわかるように書きましょう。和暦と月数で学校を卒業した後の経歴を記載します。

年月:学校の卒業の年月、仕事開始年月

内容:卒業した学校の名前や勤務先の正式名称と業務内容、役職など

「内容」の部分には、卒業した学校の名前、勤めてきた会社の正式名称や経験してきた仕事の詳細など、あなたのこれまでの経歴を具体的に記入しましょう。まだ勤務している場合は、退職予定の年と月も記入してくださいね。勤務先名だけではなく担当した業務の内容や役職名も省略せずに書いてください。マネジメントの実績がある場合は店舗の規模や従業員の人数も書いておくと「ある程度の経営能力もありそうだ」という印象を与えることができます。

②過去の事業経験

過去の事業経験の項目は「あなたが過去にサロン事業を経営した経験があるか否か」という質問となっています。選択式になっていますので、該当するものにチェックするだけで大丈夫です。

③取得資格

取得資格も選択式となっていますので、サロンを開業するにあたって役立つ資格を取得している場合は、「有」にチェックを入れて、それをしっかり記入しておきましょう。その際、資格の名前は正式名称で記入すること、資格の取得日を記入すること、この2点をお忘れなく。他にも保有している資格があれば、それも記入しておいてくださいね。

④知的財産権等

知的財産権等も選択式となっています。特許や商標など、何かあれば「有」にチェックを入れて、その名称を記入してください。また、「有」を選択した場合は、「申請中」か「登録済」なのか、現在の状況も選択できるようになっていますので、該当する方にチェックを入れましょう。

(3)取扱商品・サービス

「取扱商品・サービス」には、「取扱商品サービスの内容」と「セールスポイント」の2つの欄があります。

①取扱商品サービスの欄に記載すること

「取扱商品サービスの内容」の欄には、開業するサロンの主力となるサービスや商品の詳細を記入します。

具体的には、あなたが予測する、売上トップ3について、その説明と売り上げシェアを記載します。計画書を見る相手があなたのサービスを理解できるようにその売上の根拠を示すようにしましょう。以下の項目を書いておけば具体性がアップします。

【売上トップ3の以下の項目について記載する】

  • 価格
  • 見込み売上
  • 客数
  • 客単価

売上トップ3以外にも記載したいサービスや商品があれば、それらについて記載しても問題はありません。スペースが足りなければ別紙を追加しておきましょう。

取扱商品サービスの欄は、あなたがどれだけ「サロン事業」に真摯に向き合い、真剣に今後の展望を考えているのかということを、数字でしっかりと伝える項目です。事業計画書を作成し始めるまでは具体的な数字を考えていなかった方は、この機会にひとつずつリサーチしながら考えてみましょう。

②「セールスポイント」の欄に記載すること

セールスポイントの項目には「あなたのサロンの売り」や「競合サロンとの違い」を具体的に書きます。あなたのサロンコンセプトを思い浮かべながら記入していくと良いかもしれませんね。あなたのサロンが競合より優れていて、お客様に選ばれる見込みがあり、売上をしっかりとあげていけるということが読み手に伝わるよう、自信をもって記入してください。

たとえば「仕事帰りの女性をターゲットにした癒しの空間を提供する。具体的には施術の待ち時間に利用できるマッサージマシンを導入して施術プラスアルファの価値を提供する」「競合サロンよりも営業時間を長く設定し、終電を逃した疲れた女性も呼び込む」という風に具体的に記載するとよいですよ。

(4)取引先・取引関係等

取引先や取引条件には顧客の内訳や料金の回収方法、仕入れ先の詳細や支払い条件等を記載します。

①販売先

販売先とはお客さまのことです。エステサロンや脱毛サロンの場合は一般の方が見込み客になりますね。したがってこの項目には「一般個人」と記載しておけばオッケーです。

ただ一般顧客と書くだけでなく、お客様の属性を詳しく書きます。あなたが考えているターゲット層を基に、年代や性別、職業、どのエリアに住み、どのエリアで働いているのかなど、その「一般個人」の詳細を記入してください。現在の職場で固定客がついている場合には固定客の人数も書いておくとよいですよ。

【販売先の一例】

  • 〇〇エリアで働く20代のOL
  • 〇〇駅を利用している女子学生
  • 〇〇エリアに住む30~40代の主婦
  • 現職の固定客300人

②仕入先

サロンで使用する化粧品や施術用のジェルなどを特定の仕入れ先から仕入れる場合には、この欄に記載してください。仕入れ全体におけるその仕入れ先の割合やかけ取引の割合、支払いサイクルも記入しておきます。

③外注先

外注があれば、その詳細をこの欄に記入してください。エステサロンや脱毛サロンの場合は、玄関マットの交換や清掃を外注するケース等が想定されます。

④人件費の支払

スタッフを雇用する場合は、人件費の支払いの項目に給与等の支払いに関することを記入しましょう。月末締めで、支払いは翌月15日、ボーナスの支給月は6月と12月というように記入すればオッケーです。

(5)従業員

スタッフを雇用する場合は、見込み人数を記入してください。

(6)お借入の状況

「お借入先名」「お使いみち」「お借入残高」「年間返済額」と4つの記入欄がありますので、住宅ローンや自動車ローン、カードローンなど、プライベートで借り入れをしている場合は、それをすべて記入してください。金融機関で融資を受ける場合、信用保証期間に問い合わせをして、これらの項目を全てチェックします。借入金額を少なく記入してもバレてしまいますので正直に書きましょう。

(7)必要な資金と調達方法

必要な資金と調達方法には、サロンをオープンするときに必要なお金とその調達方法を詳しく記載します。初めて事業資金の融資を受ける方は、慣れない作業でとまどうかもしれませんが、順番に記載していけば必ず完成します。

①必要な資金

必要な資金は、設備資金と運転資金に分類できます。

・設備資金とは

開業のために必要な施設や設備、備品を整えるための資金です。業務用脱毛機やキャビテーションのマシン、ピーリングのマシンなどの美容機器の購入費用や内装・外装費用、備品の購入費用などが含まれます。

【設備資金の具体例】

  • サロンで使用する機器の購入費用
  • 内装、外装費用
  • 備品の購入費用
  • 水回りの工事費用
  • 電気や空調の工事費用
  • 看板の設置費用

・運転資金とは

運転資金は開業後にかかる費用です。人件費や家賃などが該当します。

【運転資金の具体例】

  • 人件費
  • 家賃
  • 光熱費
  • 広告宣伝費
  • 消耗品代

開業時には6ヶ月分の運転資金を用意しておくとよいと言われています。

②調達の方法

調達の方法の欄には4つの資金調達先がありますので、当てはまる場所に設備資金と運転資金の金額を記入してください。ここで記入した金額の合計額と、先に記入した「必要な資金」の合計額が同じになれば大丈夫です。

(8)事業の見通し

「創業当初」と「軌道に乗った後」の2パターンで、大体の損益計算書を作ります。損益計算書とは売上と仕入れ高、人件費等の経費と利益を記載したものです。難しく感じるかもしれませんが「サロンの家計簿」だと考えればカンタンに記載できますよ。日本政策金融公庫から融資を受けた場合、利益の中から返済していくことになりますので、返済額より利益の方が大きくなっている必要があります。

①「創業当初」(サロンを開業して起動に乗るまでの期間)

売上高1ヶ月の売上を予測して記載する
売上原価(仕入高)1ヶ月の仕入れにかかる金額を記入する
経費(人件費)スタッフを雇用する場合はその人数と支払う金額を記入する
経費(家賃)賃貸の場合は家賃、賃料を記入する
経費(支払利息)融資を受ける場合には該当する利率に応じた支払利息を記入する
経費(その他)広告宣伝費や消耗品代、水道光熱費などを記入する
利益利益は売上から売上原価と経費の合計を差し引いたもの

②「軌道に乗った後」(サロンが軌道に乗った場合)

「創業当初」の欄と記入する内容は同じです。ただし、サロンが軌道に乗れば、増える数字、減る数字があるはずですので、それをしっかり確認しながら記入するようにしましょう。

サロンの事業計画書ができたら開業準備はあと少し!

サロン開業にあたって融資を受ける際には、事業計画書の提出が求められます。今回は、日本政策金融公庫の「創業計画書」を例に書き方をご説明いたしました。他の金融機関の事業計画書も基本的に求められるものは同じですのでぜひ参考にしてくださいね。

事業計画書の内容は融資の審査に大きく影響します。あなたの想いや情熱をしっかり込めて作成してくださいね。事業計画書を作成しながら、サロン開業に対する決意や成功させるためのビジョンをより一層膨らませましょう。

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次回は、「資金準備」(融資・助成金・補助金等の申し込み)についてお伝えします。開業資金のために融資を検討している方は、「開業資金は早めに準備して、お金の不安を解消すべし!」をご覧ください。

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